MAR Insights · 公開 · 依頼前の確認項目
不動産会社がAI検索対策(LLMO)を外注する前に、見積書・提案書で確認する7項目
AI検索対策(LLMO・GEOと呼ばれることもあります)の依頼先を選ぶとき、見るのは金額や実績の派手さではなく、見積書・提案書に「何を、どう測り、どこまで直し、何を保証しないか」が書かれているかです。不動産会社の経営者・Web担当者向けに、確認する7項目を整理しました。
執筆・編集:合同会社 My Agent Works(東京都小平市)。当社はAI検索の診断サービス「MAR(My Agent Research)」を提供しています。そのため本文は特定の会社の比較・推奨をせず、当社を含むどの依頼先にも同じ項目で確認していただく前提で書きました。相場の金額や会社の順位づけは載せていません。確認日は2026年10月8日です。
依頼先を選ぶとき、公式資料は何を勧めているか?
Googleの「SEO 業者の利用を検討する」(ページ記載の最終更新日 2026-06-10)は、面談で聞く質問として、期待される結果とその時期、成果の測定方法、サイトに加えた変更の説明を挙げています。AEO・GEOと呼ばれる生成AI向けの助言も、Googleの公式ガイダンスに沿っているか確認するよう述べています。検索結果の最初のページに表示されると言い切る業者は避けること、順位の保証やGoogleとの特別な関係をうたう業者には注意が必要なことも書かれています。
同日に開いた「サードパーティの SEO ツール…に関するガイダンス」(同 2026-06-10)は、第三者のツールはGoogleの内部ランキングデータにアクセスできず、その予測はツール独自のものだと説明しています。
これらはGoogle検索についての資料です。ChatGPTやCopilotなど他社AIの扱いは各社の資料で確認します(AI検索最適化の公式資料の整理)。以下の7項目は、これらの資料と当社の公開記事(支援先を選ぶときの確認事項)をもとに当社が整理した確認の枠組みで、法的な要件や業界標準ではありません。契約条件は、必要に応じて弁護士などの専門家に確認してください。
見積書・提案書で確認する7項目は?
各項目について、書かれているべきこと、注意したい書き方、聞いてみる質問を並べました。
| 1. 診断の範囲 | 書かれているべきこと:対象のURLの件数、対象のAIサービス、質問の数と内容、地域・言語、診断に含まない作業。 注意したい書き方:「AI全般を診断」とだけあり、対象と件数が分からない。 聞いてみる質問:含まれない作業と、追加になる条件は何か。 |
|---|---|
| 2. 測り方 | 書かれているべきこと:「取得される→検索エンジンに登録される→AI回答で引用される→問い合わせにつながる」を分けて測ること。質問全文・日時・AIの名称などの測定条件の記録。取得できなかったものを「0件」でなく「未確認」とすること。 注意したい書き方:点数や総合評価だけが成果として示される。 聞いてみる質問:回答の保存と引用URLは納品物に含まれるか。再測定は同じ条件で行うか。 |
| 3. 成果の測り方と保証表現 | 書かれているべきこと:何を成果と数えるか(表示・引用・訪問・相談のどれか)、誰がどの条件で数えるか、算定期間。成果報酬型なら、その定義が契約書にあること。 注意したい書き方:順位・引用・集客を約束する表現。点数の上昇を成果とする書き方。 聞いてみる質問:成果が出なかった場合の扱いは。 |
| 4. 実施するサイト変更の範囲 | 書かれているべきこと:診断のみ、改善案の提出、実装までのどれか。変更する対象(robots.txt、サイトマップ、テンプレート、記事の本数など)、変更前の承認、変更履歴の共有。 注意したい書き方:ページや記事の大量作成。地域名だけ差し替えた同じ内容のページ。 聞いてみる質問:AIで作る文章は、公開前に誰が事実を確認するか。 |
| 5. 権限・データの扱い | 書かれているべきこと:渡す権限の種類と範囲、受け渡し方法、顧客情報・物件資料の扱い、第三者ツールにデータを送るか、契約終了時の権限の返却。 注意したい書き方:管理画面やサーバーの全権限を最初から求める。 聞いてみる質問:契約終了後、権限はいつ誰が外すか。 |
| 6. 報告頻度と中身 | 書かれているべきこと:頻度と形式、報告項目(測定条件・変更内容・前回との比較・未確認事項)、再測定の間隔。 注意したい書き方:1回の増減を成果や悪化と断定する報告。変更内容が書かれていない報告。 聞いてみる質問:変更から再測定までの期間は、何を根拠に決めたか。 |
| 7. 解約・契約条件 | 書かれているべきこと:契約期間、自動更新の有無、中途解約の条件、解約時に受け取れる成果物(レポート、作成した文章の権利)、費用の内訳と追加費用の条件。 注意したい書き方:内訳が「一式」のみ。最低契約期間や違約金が見積書にない。 聞いてみる質問:解約した場合、公開済みの文章や設定はどうなるか。 |
項目2を飛ばさない理由
Googleは、AIによる概要・AIモードにページが表示される前提を、インデックス登録とスニペット表示だと説明しています(AI 機能とウェブサイト、最終更新日 2025-12-31)。当社の実測(ai-search-not-cited)では、サイトマップに43URLが検出されても、Search Consoleの登録は22件・未登録22件でした(2026年10月1日に読み取り、データの最終更新は9月21日)。1サイトの1時点で一般化はできませんが、登録の確認より先に引用向けの文章改善から入る提案は、順序を確かめる価値があります。
項目4と5の根拠
Googleは、価値を加えない大量のページ生成がスパムポリシーに違反しうること、AIで作った内容は公開前に人が事実を確認することを述べています(生成 AI によるコンテンツのガイダンス、最終更新日 2026-10-06)。権限については、SEO監査を受ける段階ではSearch Consoleの読み取り権限のみを付与し、書き込み権限は付与しないよう述べています(前掲の「SEO 業者の利用を検討する」)。
費用は、どう見ればよいか?
本記事は金額の目安を載せません。出典を確認できる相場のデータを、当社は確認できていないためです。見積は、診断(1回)・サイト変更・記事作成・継続的な再測定・報告のどれを含むかで構成が変わります。金額の大小の前に、項目1・4・6の範囲がそろっているかで比べてください。範囲のそろっていない見積は、金額を比べられません。
避けたほうがよい説明は何か?
- 順位や表示を言い切る説明:Googleの資料は、順位の保証をうたう業者に注意するよう述べています。Bingのガイドライン(Webmaster Guidelines)も、SEOは順位を、GEOは引用を保証しないとしています。
- AI向けの特別なファイルで引用される、という説明:Googleは、llms.txtなどを新たに作る必要はなく、Google検索では使われないと述べています(生成 AI 機能への最適化のためのガイド、最終更新日 2026-09-23)。他社のAIがどう扱うかは、各社の資料で確認します。
- Googleの承認・認定を思わせる説明:Googleは、第三者のサービスを評価していないと述べています。
- 被リンクの購入や、作為的な言及の依頼:Bingのガイドラインは、リンクの購入などを順位やgroundingでの可視性を下げる行為として挙げています。
- 根拠のない実績の数値:日付・条件・件数のない数値は、確かめようがありません。
依頼する前に、自社でできる確認は何か?
Googleの資料は、小規模なローカルビジネスの経営者は、作業の多くを自分で行える可能性があるとして、SEOスターターガイドから始めることを勧めています。依頼の前に、次の4点は自社でも確認できます。
- 重要ページが公開され、noindexやエラー応答がないか。
- robots.txtと、CDN・WAFの設定でクロールが止まっていないか。
- Search ConsoleとBing Webmaster Toolsで、登録状況を見られるか。
- 社名・所在地・提供範囲の表記が、公式サイトとビジネスプロフィールで一致しているか(AIに自社を正しく紹介してもらうために整える3つのこと)。
各社の資料の読み方はAI検索最適化の公式資料の整理、用語の違いはLLMO・GEO・AEO・AIO・SEO・MEOの違いで整理しています。
よくある質問
不動産会社のLLMO・AI検索対策の費用の相場はいくらですか?
当社は出典を確認できる相場のデータを確認できていないため、金額の目安は載せていません。費用は、診断・サイト変更・記事作成・再測定・報告のどれを含むかで構成が変わります。見積書の範囲(項目1・4・6)をそろえたうえで、内訳を比べてください。
成果報酬型なら安全ですか?
型だけでは判断できません。何を成果と数えるか、誰がどの条件で数えるか、算定期間はいつまでかが契約書に書かれているかを確認します。Googleの資料は、順位の保証をうたう業者に注意するよう述べています。
効果はいつから見えますか?
時期は約束できません。一般的な再クロールの頻度について、Googleは「そのページの更新頻度に応じて数日から数か月」と書いています(プレビュー制御の説明の中で)。効果の時期を約束するものではありません。また、OpenAIの資料は、robots.txtの変更が検索側に反映されるまで約24時間かかることがあるとしています。取得→登録→引用→問い合わせの順に、同じ条件で測り直します。
診断だけを依頼できますか?
会社によります。見積書で、診断・サイト変更・継続的な運用を分けて書いてもらうと、診断だけで終えられるかを判断できます。診断の対象・質問数・納品物も、契約前に確認してください。
社内でできる範囲はどこまでですか?
Googleの資料は、小規模なローカルビジネスの経営者は作業の多くを自分で行える可能性があるとしています。公開状態、robots.txt、サイトマップ、Search ConsoleとBing Webmaster Toolsの登録状況、表記の一致は自社でも確認できます。
出典と確認日(2026年10月8日)
以下のページを2026年10月8日に開いて確認しました。日付は各ページに記載されていたものです。
- https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/do-i-need-seo?hl=ja(最終更新日 2026-06-10)— 依頼先への質問例、順位の保証への注意、権限、AEO・GEO向けの助言の確認。
- https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/third-party-seo?hl=ja(最終更新日 2026-06-10)— 第三者ツールの限界。
- https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide?hl=ja(最終更新日 2026-09-23)— llms.txtなどの不要な施策、保証されないこと。
- https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/using-gen-ai-content?hl=ja(最終更新日 2026-10-06)— 大量生成のスパムポリシー、公開前の事実確認。
- https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja(最終更新日 2025-12-31)— AI機能に表示される前提、一般的な再クロールの頻度が、そのページの更新頻度に応じて数日から数か月とする記述(プレビュー制御の説明の中)。
- https://www.bing.com/webmasters/help/webmaster-guidelines-30fba23a(日付の記載なし)— SEO・GEOは順位・引用を保証しないこと、リンクの購入。
- https://developers.openai.com/api/docs/bots(最終更新の記載なし)— robots.txtの変更の反映に約24時間。
自社の実測は、既存記事(ai-search-not-cited)に記載された、当社サイト1つの1時点のものだけです。編集方針:信頼・ガバナンス。
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